今日はNPOおおさか緑と樹木の診断協会の方々と大学で人間環境学研究科の前迫ゆり教授を講師に招き奈良県の春日山原始林から若草山までを観察する研修会に参加してきました。
当初は紅葉も楽しみながらと少し遠足気分で参加。
しかし訪れた春日山原始林(照葉樹林)は、現在長期にわたるシカの過剰採食などによって危機に瀕しているとのこと。これは同じ奈良県にある大台ケ原でも問題になっている。
森林での自然サイクルでは背の高い樹木が倒れるとそこに光が差し込みそ次の世代の稚木が成長し更新されていく。
その稚木がシカによって過剰採食され原始林としての照葉樹林の更新が形成されず、シカに採食されない外来種のナンキンハゼや国内外来種のナギが成長し群落を形成しはじめている。
ナンキンハゼは紅葉も鮮やか落葉した後の樹形や白い実が美しく個人的には好きな樹木ですが。
このままでは地域固有性の高い春日山照葉樹林から外来種樹木が優先する落葉広葉樹と常緑針葉樹に変移していくのではと懸念されている。
原始林を抜けて若草山へ
シカにとっては何の罪もなく、そんなことも露知らず。
現在抱えている問題が自然的なのか人為的なのか・・。自然的ならまた違うカタチ更新と呼べるのか、難しい問題。
今回の森林更新について自分の仕事で携わっている庭や樹木に置き換えて捉えてみました。
庭に存在する樹木にも更新があってもいいのでは。
森林での樹木は光などの奪い合いなどで短命であることも多い。自然サイクルでは朽ちた樹木は循環して次の世代へ引き継がれていく。逆に平地での神社や施設、単木で存在する樹木の方が光などの環境に恵まれ長寿であることも多い。
古くなった、大きくなった樹木を大切にすることも大事ですが、お手入れだけの為になってる庭や樹木も多く存在している気がします。
今の暮らしに寄り添った、次の世代の為の庭や庭の樹木の更新。